仙台七夕は、前日から花火大会があり、そのまま七夕祭りに移行します。
その観点から、七夕飾りは当日の朝から粛々と進められていきます。
七夕2019 本当の初日とは

仙台七夕は、前日から花火大会があり、そのまま七夕祭りに移行します。
その観点から、七夕飾りは当日の朝から粛々と進められていきます。
仙台七夕まつりの大きな特徴の一に、本物の竹を使った「七夕飾り」があります。
この竹は8月4日に各お店に配られ、当日の8月6日の朝には七夕飾りをすぐに飾り付けできるように段取りされます。
竹上げの作業は、各々のお店や業者が通行人の邪魔にならないように開始され、お店に前に竹が立てられます。
まずはじめに、各商店会から、指定した場所に竹が用意され、自分のお店の前に2人から5人くらいで手で持って運び込みます。すべてはこの竹を目前にして作業が開始されます。
もちろん渡された竹は、そのまま山から切り出した竹なので、長さを調整します。高さについては、各商店街の場所によって違いがあり、自分のお店のアーケードの高さに合わせて切り出します。
仙台七夕まつりでは、標準的に12メートルから16メートルの高さに調整して切り出します。
その後、余計な枝葉を落とすのですが、竹をまっすぐ立てるのではなく、自然にしなる方向を見て枝葉を調整します。
ポイントは、商店街アーケード内の歩行者が歩くちょうど真ん中に七夕飾りが下がるよう調整するのが特徴です。
この時の意外と難しいのは、七夕飾りの重さやバランスを考慮して、竹を少し斜めに立てかけることです。
そして、当日朝に、七夕飾りを用意に取り付けする工夫を施すのが、8月4日の準備における一番の作業ポイントです。
七夕飾りを取り付けしたり、高さを調整するために、いくつかの道具を竹に施します。
竹のどの辺に七夕飾りを下げるかを決める位置取り、そのポイントに七夕飾りを下げるために滑車を取り付けます。
次に七夕飾りを上下に上げ下げできるようにする紐の取り付け、紐が絡まることがないようにするガイドの取り付け、まとめた紐を固定するトンボなど、仙台七夕まつりの下準備はお店や業者さんの工夫が満載です。
この様に、仙台七夕まつりの飾りつけは、前々日からいろいろと準備され仙台七夕まつりを迎えるのです。
ちなみに、仙台七夕まつりの前日は仙台花火祭りがあるため、実際は祭りが終わった後の8月5日、夜中12時以降(8月6日)に取り付け作業が開始され、開催日8月6日当日朝まで七夕飾りを実施します。
仙台七夕まつりで使われる吹き流しは、仙台七夕の特徴の一つの紙で作られているのが特徴です。
こちらの写真でもわかるように、同じ紙でも千代紙が利用されています。
千代紙にも京千代紙、江戸千代紙とあり、昔ながらの和紙の良さを感じることが出来ます。
特に京千代紙の中でも総柄友禅紙を使った吹き流しは元々の大きな絵柄を見ることが出来るので、豪華絢爛な吹き流しとなり見る人の心を打ちます。
吹き流しもそうですが、仙台七夕まつりで使われる色は5色が基本になっています。
主な色は、赤・青・黄・桃・紫で、他には白や緑や水色やオレンジがあります。
元々は、「5色の短冊」の5色が基本となっており、七夕の起源、中国の「五行説」から赤・青・黄・白・黒が使われていました。
五行説(ごぎょうせつ)とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説である。
また、5種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えが根底に存在する。 ※wikiペディアより
豪華絢爛で知られる仙台七夕まつりですが、笹竹に吊られた飾りはこの5つが基本となり色鮮やかに観覧できるお祭りです。
仙台七夕まつりで使われる七夕飾りは「七夕飾りに使われる竹細工」でもご紹介しましたが竹と紙で作られるのが基本的な飾りです。
この写真の「くす玉用籠」は、竹ひごを編んで丸くボール状にして使われてます。
そして、このくす玉用籠に折花を付けて仙台七夕飾りの頭の部分、くす玉が創られます。
大きさも「曲げ輪」と同じように、5号およそ「15cm」から15号およそ「45cm」のサイズが良く使われ、折花がつくとさらに20cmほど大きく仕上がります。
市内中心部の飾り物のおよそ75%は60cmサイズのものが使われています。
くす玉の形も、今では丸いのが当たり前ですが、もともとは生活用品の「竹籠」をどうにかして丸くしてもらえないかと、竹細工のお店に頼んで作ってもらったそうです。
本来は笊として使われてきた竹細工だったので、今の丸い形に仕上げてもらうのにかなりの時間と工夫が必要だったと伝わっています。
この矢印の部分の下地に「くす玉用の竹かご」が使われています。
毎年職人さんが2月の雪深い山に登り切り出した孟宗竹を小さいナタで一本一本竹ひごに加工し竹かごを丹念に編んでいきます。
加工用の孟宗竹は意味があって冬竹のみを使用されます。
全国でも竹かごの職人さんは絶滅危惧種です。
仙台七夕まつりでつかわれる七夕飾りは、竹と紙の細工物で作られるのが基本的な作り方です。
こちらの写真は、七夕飾り作りに必要な竹細工で「曲げ輪」といわれるものです。
曲げ輪の大きさも様々あり、よく見かけるサイズは小さいもので5号(5寸)の15センチくらいのものから18号(1尺8寸)およそ54センチまでと、様々なサイズがあります。
もちろん、このサイズ以上の20号やそれ以上のサイズもあるらしいですが、特注で職人さんに頼んで用意しないといけないみたいで扱うのも大変な様子です。
そして、この曲げ輪に折り花が付くので、実際のサイズは本来のサイズにプラス20センチくらいに見える大きさになります。
仙台七夕まつりでよく見かけるサイズは10号から15号が多いので、見た目の大きさは50センチくらいから70センチくらいの大きさに見える七夕飾りが多く見られます。
この矢印の部分の下地に「曲げ輪」が使われています。
こちらのイラストの様にくす玉の下につく輪っかが「曲げ輪」を土台にして作られています。
この例以外にも、曲げ輪が2段になっているものや、寸胴の様に円錐の形で土台として使われる場合もあり、七夕飾りには欠かせない大事な竹細工になります。